白斑

【白斑とは】
 白斑とは、皮膚の色素が抜けて白く見えた状態を指します。多くの場合、尋常性白斑という疾患で、後天的に一部の皮膚の色素が脱失する疾患です。境界がはっきりとした白いまだら状の皮膚が単発あるいは複数生じます。皮膚の色素が抜ける以外の症状はなく、病変部の皮膚にかゆみやかさつきなどを伴うことはありません。原因不明の疾患ですが、皮膚の色素を作る細胞(色素細胞)に対する誤った免疫反応が病因とする自己免疫説が有力です。

【尋常性白斑の診断】
 尋常性白斑は後天的な疾患ですので、先天的な(生まれたときからある)色素異常の場合は尋常性白斑ではない可能性が高いです。尋常性白斑は皮膚だけの症状として発症することがほとんどですが、甲状腺疾患を合併する場合などもあります。皮膚の白斑以外に眼や耳の異常が併発(先行)する場合は、原田病という疾患の部分症状として白斑が生じます。

 尋常性白斑の症状に似た皮膚疾患として、老人性白斑、単純性粃糠疹(子供のほほなどによく見られる、いわゆる「はたけ」)、湿疹などのあとの色素脱失が挙げられます。これらの疾患は尋常性白斑と見分けがつきにくいこともありますが、治療・対処法が尋常性白斑とは異なります。

【尋常性白斑の治療】
 尋常性白斑の治療として保険適応のあるものは、ステロイド外用、塩化カルプロニウム外用、紫外線照射などになります。紫外線療法に関して、当院では全身照射型のナローバンド照射機器とエキシマライトでの治療が可能で、病変の部位大きさに応じて選択しております。病変が大きい場合や数が多い場合などは、長期間の治療を要する場合もありますので、治療法の選択については充分に担当医とご相談いただく必要があります。