タコ・イボ

【イボ・タコ・ウオノメの違い】
 いずれも、主に足の裏の皮(角質)が部分的に厚くなった状態です。
 イボは尋常性疣贅(ゆうぜい)という病名で、パピローマウイルスが皮膚に感染することによりその部位の角質が厚くなり硬くなった状態です。

 タコは胼胝(べんち)という病名で、イボとは異なりウイルス感染などの関与はなく、足の加重部位で(主に骨の出っ張りによる)圧力のかかった皮膚の防御反応として、角質が厚くなった状態です。運動選手では特定の部位に負荷のかかることも多く、それぞれの競技で特徴的な場所の皮膚が硬くなるものはタコです。

 ウオノメは鶏眼(けいがん)という病名です(魚ではなくニワトリです)。ウオノメはタコが痛くなったもの、と理解して頂ければ良いですが、タコより病変が小さく圧力のかかる部位が分散しないため、米粒を踏んだように痛くなります。

【イボの治療】
 イボはウイルスが原因の疾患ですが、感染経路は不明なことが多いです。一般的には小児に多く、スイミングをしていると罹患しやすいようです。
 治療では液体窒素を用いた凍結療法が行われることがほとんどで、ドライアイスを触るような痛みを伴う治療です。ヨクイニンの内服も用いられることがありますが、ヨクイニンの有効性に関する客観的なデータは不足しています。
 免疫作用により自然治癒することもありますが、どのタイミングで治るかは予測できませんので、確実に治したい場合の選択肢はほぼ凍結療法に限られます。

【タコ・ウオノメの治療】
 痛みなどが軽度で日常生活に不都合がない場合には治療は必要ではありません。
 痛みがある場合には、肥厚した角質を削ったり、角質を柔らかくするサリチル酸を含む貼付剤(スピール膏)で病変を軟化させたりする、という治療が選択されます。
 特定の部位に圧力がかからないように、足底板(インソール)や装具を使って免荷する方法は予防として有用です。