掌蹠膿疱症

 掌蹠膿疱症は、手のひら(手掌)と足の裏(足蹠)に小さな白い膿(膿疱)や水ぶくれ(水疱)が多発する疾患です。慢性の経過で良くなったり悪くなったりを繰り返しやすいです。
 原因不明の疾患ですが、扁桃腺が腫れている方で起こりやすく(病巣感染)、風邪のような上気道炎で皮膚症状の悪化が見られることもあります。また、掌蹠膿疱症患者さんには喫煙者が比較的多く、喫煙は悪化要因の一つです。

 手のひら足の裏の皮膚に限局した皮膚症状であることが多いですが、時に関節炎が生じることがあり、特に胸鎖関節痛(胸の上部で鎖骨の付け根辺りをたたくと痛い)など、胸骨周辺の関節の痛みがよく合併します。
 足の裏の症状は水虫と間違われて水虫の治療をされたりすることがありますが、水虫の治療では掌蹠膿疱症は良くなりません。正しく診断を受けて治療を受ける必要があります。

 治療にはステロイド外用剤やビタミンD外用剤が使われます。また、紫外線療法も有効です。当院でも、エキシマライトを用いた掌蹠膿疱症の治療を行っております。
 重症の患者さんに対しては生物学的製剤も使用の適応があります。当院では掌蹠膿疱症に対する生物学的製剤の処方は行っておりませんので、吹田市民病院や阪大病院へ紹介させて頂いております。